インターン・エクスターンの声 Hさん

弁護士においてのバリューを再認識

Hさん

エクスターンに参加してどうでしたか?

スタートアップやM&Aなどの企業法務分野における弁護士業務を知る機会を作りたいと考え、今回エクスターンに参加させていただきました。 CrossOver法律事務所が企業法務、特にM&AやIPO支援分野に特化した法律事務所であることを知り、同分野における弁護士業務を学ぶことができ、また、事務所の先生方全員が四大事務所出身であることを知り、CrossOver法律事務所の特色のみならず、四大事務所の特色も知ることができ、非常に有益な経験ができると思いました。

先生方の弁護士事務所で働く上で意識している観点がとても印象的でした。すなわち、仕事においてバリューを出すという点です。すべての仕事において時間的制約がある中では依頼内容が依頼者やその企業に対して、どのような影響をあたえるのか、またその影響はどの程度のものなのかを見極めた上で、大きなバリューを出すことに注力するというお話は印象に残っています。将来、弁護士として勤務する際にはこのような観点を意識しながら働こうと思えることができました。

共通課題や個別課題においては、会社法や独占禁止法など今まで扱ったことのある法律であっても実務ではどのような条文が頻繁に使用され、また、問題となるのかを知ることができました。この経験は、これから当該法律を学ぶ際に実務で問題となりうる論点を意識しながら学修をする契機となったと思います。また、課題の結論を出す上で様々な文献を調べることによって、今まで十分に理解していなかった論点の理解が深まりました。さらに、課題の報告に際して、先生方と議論をさせていただくことによって弁護士の先生方が当該問題に対し、どのような問題意識を抱いているのかを知ることができた点で実務家の考え方の一端を学ぶ契機となりました。総じて、エクスターンシップでの経験を通して扱うことができた法分野への理解が深まり、同分野への興味がさらに大きくなりました。また、今後の法律学の学修への大きなモチベーションとなった点でも非常に有益なものとなりました。

また、課題を解決するにあたって、判例や裁判例、書籍などのリサーチ、契約書のレビューなどを通して、実際の弁護士業務がどのように行われているのかを経験できた点で有益なものとなりました。課題の解決に際しては、先生方から、当該問題を解決するにあたって間題となりうる法律や役立つ文献を教えていただきましたが、実際の実務では、全く知らない法律であっても、論点となりうるものを抽出し適切な解答を出す力が必要であることを知ることができた点で、法律学のみならず、論点抽出力やリサーチカが必須となることを知ることができたため非常に意義のある経験となりました。

ロースクールの授業では学ぶことができないような法律の見方、実務での運用の仕方を学ぶことができました。具体的には、弁護士が依頼者のために仕事をするという職業であることに鑑み、単に適法・違法を判断するのみならず、違法である場合にはどのような代替案が考えられるのかまでを検討することが必須であると学ぶことができました。また、法律上の論点のみならず、例えばM&Aに際しては、どのような手法が考えられ、依頼者にとって最適な手法を様々な事情を考慮しながら導き出すことは、単に法律の学習をするだけでは得られない視点であったと思います。

実際の弁護士業務を体験できたことや先生方の勤務中の様子は自己の弁護士キャリアを考える上で大きな参考資料となりました。特に、企業法務分野の最前線で活躍される先生方の様子を見ることができたのは、当該法分野で働く弁護士像の解像度が上がり非常に有益な経験となりました。また、PEファンド運営会社に勤務される方との意見交換会を企画していただいた点は、ロースクール修了後弁護士以外の道という観点からキャリアを考えるにあたって非常に有意義な時間となりました。

エクスターン前は、弁護士キャリアにおいては、法曹である以上法的な知識が最重要のスキルであると考えていました。しかし、エクスターンシップを通して、弁護士キャリアという観点みると、最重要なスキルは仕事におけるバリューを判断していくことであると感じました。限られた時間の中で膨大な量の仕事をこなしていく上で、依頼者の企業の価値を向上させるような仕事をすることが重要であり、そのためには、どのような仕事が大きなバリューを有しているのかを判断する力が弁護士のキャリア形成という観点からは最重要であると考えます。

エクスターンを通して、法律学に対する興味・熱意はさらに大きくなりました。特に、エクスターンの課題で扱うことができた法分野に関しては、今後、同分野を学んでいく上での大きなモチベーションとなりました。

特に印象に残っているプログラムは?

経営陣との意見交換会

上場を目指す会社の代表取締役の方から弁護士のニーズ等についてお話を伺う機会を設けて下さいました。今まで代表取締役という役職の方からお話を伺った経験はなかったため、非常に新鮮で貴重な経験となりました。非上場会社において、弁護士のニーズは特段に大きいものではないと知り、意外な印象を受けました。
IPOを目指す際には、IPO領域に長けた弁護士のニーズが生まれること、また、その関わり方も外部から関わるのみならず、会社役員となって内部から関わることができる手法もあることを知り、一概に、弁護士のニーズがある分野でも、その関わり方は幅広いものであると実感しました。さらに、企業を経営する上での考え方や法務のあり方など経営者目線でものの見方を知ることができたことも有益なものとなりました。

弁護士業務のみならず、企業の経営陣との意見交換会なども予定されており、経営者目線での企業における弁護士のニーズ等を聞くといった貴重な経験を通して、現在のIPO支援分野に対する漠然としたイメージを明瞭化することができ、それが自身の法曹像をより一層明確なものにつなげることができました。

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