インターン・エクスターンの声 Cさん

リーガルマインドや法的思考方法を再考する最高の機会

Cさん

エクスターンに参加してどうでしたか?

今まで法律事務所に伺ったことがない私にとっては、実際に弁護士の先生方がどのように活動しているのかを自身の目で見ることができたことは非常に勉強になりました。ロースクールにおいても実務家教員の先生方から実務について紹介がされることもありますが、実際に活躍している姿等を拝見したことはなかったため、新たな発見の連続でありました。
CrossOver法律事務所はIPO支援に注力しており、私が将来的なキャリア計画として検討している分野だったため、貴重な体験をすることができました。この分野は判例や法律によって画一的に判断をすることができるものでなく、長期的な視点と短期的な視点、妥当的な視点などの諸点を慧眼できる能力が不可欠となります。ご担当頂いた先生方はこれまでの経験等から実務の肌感覚や確実なリーガルマインドを身に付けていましたが、私はこれまでの判例や法律といったある意味既存の枠内での勉強に留まっている節があり、未知の論点や問題点を解決する能力の現時点での欠如を痛感した毎日でした。しかし、エクスターンという僅かな期間ではありましたが、この分野における実務の物の考え方は制度(法)の趣旨に遡り、その上で当該依頼事件のexitをどこに持っていくかというビジネスセンスなどの総合的な能力の体得が重要であることを学ぶことができました。そして、複雑な問題を解決するためには口々の勉強、研磨を続ける他ないことも実感しました。
最も良かった点は、自分が興味のある分野について、実際に事務所で弁護士の先生方がどのように活動しているのかを肌で感じることができたことです。このような経験はロースクールでの座学では決して得られず、まさに百聞は一見に如かずであると思いました。また、エクスターンに伺ったことにより私の考えていたキャリア計画を見直さなければならないことを痛感しました。

課題は、ロースクールでの日頃の学習のような文献等を多少調べれば解答が導ける又は判例等からの射程の問題として捉えられるものでなかったため、リサーチ能力の重要性とその能力の現時点での欠如を痛感した5日間でした。そのため、法律も追いついておらず、判例もない分野を先駆者として一定の論理性をもって答を導くには法(条文)の趣旨や確実なリーガルマインドを備えていることの不可欠性を強く意識し、当面の計画として日頃の勉強をしていかなければならないことを学びました。
私たちがロースクールにおいて日頃学習している行政法は、与えられた個別法等の仕組み解釈を通じて設問を適切妥当に解答するというものが殆どだと思います。しかし、頂いた課題は、そもそも適用可能性のある法律、条例、規則(法令等)を自ら調査し、その具体的な適用の是非、適用される場合のその内容、法令等間の横の繋がりを把握するというものであり、実務では当然に重要ですが、多くのロースクール生が訓練していない作業のため、非常に苦戦しました。また、多くの法令等が1つの条文内において複数箇所を下位法令等に委任をしていたり、適用除外を詳細に規定しており、触れたことのない法令等を解釈運用することができる能力の欠如も痛感しました。
最終報告では、先生からの講評において、法の仕組みや趣旨、単純な疑問等を大事にするというアドバイスを頂くことができました。実務に出る前にこのような機会に触れ、必要とされる能力を認識することができたのは、貴重な体験でした。

また、エクスターン全体を通じ、事務所がどのような経緯や目的をもって設立されたのかといった点や尾下先生のキャリア計画、付加価値の考え方は非常に勉強になりました。ロースクールでの実務家の先生方との会話ではそのようなお話を伺う機会は少ないため、とても新鮮でした。さらに、事務所内での先生方の依頼事件の意見交換をしている光景を見ることができ、弁護士の先生方のコミュニケーションやどのような点に問題意識をもって行うのかを観察することができました。今回のインターンシップは、企業法務のうちでもCrossOver法律事務所のような分野等を人生プランとして考えている私としては非常に密が濃く、貴重な5日間であり、私にとっての人生の重要なターニングポイントになると思います。

特に印象に残っているプログラムは?

IPOやべンチャー、スタートアップ等分野の実務家や事務所代表の先生との会談

実務において真に求められる法律家の現実的な問題は、この分野に関心を抱く私にとっては非常に勉強になりました。また、ロースクール修了後のキャリア計画にも様々なものがあることも先輩の経歴等を通じて知ることができました。
訪問を通じて、私が当初考えていたキャリア計画は実務ではかなり難しく、ではどこに弁護士が活躍できる場面があるのかを実際の社長のお話を直接に聞くことで実務の肌感覚を学ぶことができました。同時に実務で求められる法律家の立ち位置を知ることができました。
PEファンドの理解が深まったことのみならず、ロースクール終了後のキャリア形成としての多様性を学ぶことができました。また、法律とは異なる角度からの勉強であったことや扱う内容自体が非常に高度であった点に難しさを感じる場面もありましたが、如何に利益を生み出すか等を自分の頭で考えることがやはり重要なのだと改めて感じました。
尾下先生との会談では、先生のキャリア計画、法務の役割とその会社等における重要性の位置付け、認識範囲の拡大の重要性などの事柄を直接に学ぶことができました。

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